アフレコソフト9番勝負!

EjupLila / Pixabay

仕事で久々にアフレコすることになりました。
?まてよ。アテレコアフレコって何が違うんだ?
どっちも映像の後だからAfter Recordingだし。。。と思って調べてみたら「特に違いはない」らしい。
業界によって言い方が違うみたい。くだらないなあ。

さて、そのアテレコだかアフレコだかですが、今までは結局映像にシンクロさせる作業が発生するので動画を流しながらレコーダ専用機材に録音>映像ソフトに読み込んでシンクロさせる、とやっていました。
録音するのにパソコンを使うのは何か怖い。という昔の発想のままだったので。。。

ところが今回のアフレコは、偉い人たちが参加するのでアテレコが終わった直後に『観せて』とか言うんじゃなかろうか。という恐怖心から、映像に合わせてそのままパソコン上で録音していこうと決めました。

何せ初めての経験なので色々ソフトを試してみた結果「アフレコに最も良いソフト(私が持っているもの限定)」が何となくわかったので今日はその報告。

環境はMacでZoom社のH4を外部マイクとしてUSB接続しました。
余談ですがこのH4キャノン端子があるので便利そうだと思って購入しました。

ホールで収録する時とかラインもバックアップで採っておけるので。
しかもUSB接続で外部マイクになるとは。。。Zoomは大まかな所はいい加減ですが、こういう使い勝手の良い機能を開発してくれるのでとても助かります。
(インプットメニューと通常メニューの画面の出し方が違うとか、H16はレベルメーターの区切りが死ぬほど少ないとか信じられない部分もありますが。。。)
少なくとももう一つのポータブルレコーダーTASCAM GT-R1には外部マイクになる機能ももちろんキャノン端子もないし。

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Final Cut Pro 7(Voice Over機能)

FCP7

右がVoice Overウィンドウです。

最初に試したのがこれ。
というより、始めはこれ以外考えていなかったのです。
いつだっかのアップデートでVoice Over機能がついた。ということをボンヤリ覚えていたので試してみました。
なるほどこれは便利。
イン点アウト点を打てばパンチインアウトで録音できるし、インアウトを打たなくてもカーソル位置の5秒前からカウントダウン(カウント音を出すか出さないかは変更できます)してくれて録音。
しかも何度かテイクを重ねる度に、自動的に空いているトラックに描きこんでいってくれるので安心だし、直感的に後で作業できます。

が、2つ問題が。
1.Macの環境設定で言語を英語にしないと文字化けをおこして入力機器を選択できなくなる。(言語を変更した後はソフトだけの再起動で認識されます。その後、日本語設定にしてソフト再起動させても入力機器を覚えてくれてるみたいなのでまあよいのですが。。)
2.なにせ映像編集ソフトなので入力を外部音声にしても録音中にヘッドフォンでモニターできない。
モニターするためには出力を全部USB出力にしなくてはならないため「偉い人の『ちょっと聴いてみたい』」に対応するためにはH4に外部スピーカーをつけなくてはならない。。(録音後のプレイバックは他のトラック同様聴こえます。)
3.RECボタンにショートカットキーを割り当てられない。。。まあ、これは贅沢な話ですが、なにせ「偉い人」たちを前にマウスでRECボタンを押すのもあれだなあ。。と。

Sound Track Pro

STP

下がマルチテイクエディタです。

そういやスタジオで録音する時は音声ソフトでやってたな。とやっと気づいて音声ソフトを調べ始めました。
まず普段よく使っているFinal Cut Pro 7の兄弟分Sound Track Pro
こちら、気をつけなくてはいけないのは、アフレコ用の元ムービーファイルを「開く」で開いてもマルチトラックになりません。

新規で空のマルチトラックを作成してから、映像トラック部分にFinderで映像ファイルをドラッグ&ドロップしなくちゃいけないみたい。。。(なぜかメニューからの「読み込み」とかありませんでした。。)

日本語環境OK。録音中ヘッドフォンでモニタ—可能(入出力を細かく選べる)。ショートカットで録音可能。と、これだとFinal Cut Pro 7 Voice Overの3つの問題を全てクリヤーしてるのですが、また新しい問題が。

録音を重ねた時に上書きせずに自動的にトラックに記録してくれるのはこちらでは「マルチテイク」という形なのですが(まあ新しいトラックに書き込むのと見た目だけの違いだけですが)、メインのタイムラインとは別に、下のウィンドウ「マルチテイクエディタ」で確認できるという仕様。
しかも問題はインアウトらしきものを打ち、インからアウトまでループ録音した場合だけマルチテイクが有効になる。というところ。
Final Cut Pro 7ではイン点アウト点を打たなくても同様のことができたのに、Sound Track Proだとインアウト点必須、しかもループ限定。
これはとてもめんどくさい。
途中でNGになったテイクとかマルチテイクにならないのです。(一度インアウトのループで最後まで録音すれば、2テイク目からは途中で止めてもマルチテイクとして認識されるようなのですが。。)
録音が上手くいこうがいくまいが強制的に繰り返し録音するのは、無駄なオブジェクトが増える=削除ミスがおきそうでとても怖い!

Adobe Soundbooth CS5

SB
そう。私のAdobe環境はCS5のまま止まっています。。。
たまにしか使わないソフトですが音声ソフトなので試してみました。
・イン点アウト点選択関係無し。録音はREC押したらいつでもそこからスタート。
記録されるのは作業している(映像を読み込んである)プロジェクトではなく、まったく新しいファイル。つまり映像とシンクロしたものとして保存されない。→H4などの外部ハードに録音してるのと同じ事。意味無し。
なので、Soundboothは論外でした。まあ、古いソフトなので。。。

Adobe Audition CC2014

AA
しょせん一ヶ月以内で仕上げなくてはならない仕事だったのでCCの体験版を入れてみた。
そう。私のMacOS環境は10.7Lion。なのでCCの中でもちょっと古い2014
あれ?Auditionって名前、そもそも昔はSoundboothじゃなくてAuditionじゃなかったっけ?とAdobeの迷走ぶりを心配しながらインストールしました。

さすがに上位版だけあってSoundbooth CS5の問題はいくつかクリアできました。
・映像のプロジェクトにちゃんと録音できる(当たり前)
・アウト点打たなくてもマルチテイク的に録音できる。
が、問題点が半端ない。
重い。とにかく重く、保存が異常に遅い。(音声ソフトではあり得ない)
・イン点アウト点(ループ点)が他をクリックすると消えて保存できない。
・最悪なのがこれ。「マルチテイクは同じ場所に記録されるのでテイクを選びたい時はオブジェクトをつまんで他の場所に持って行くとそのテイクだけが聴ける。」
https://helpx.adobe.com/jp/audition/using/recording-audio.html
???それ、録音個所からずらせってこと? マルチテイクの意味ないよね??
そしてAuditionも終了。

Logic X

logic
丁度Logic Xも手元にあったので試してみました。
Sound Track Proがなくなったのである意味後継の機能も引き継いでるのだろう、と。
仕事のOSがMac OS 10.7 Lionなので、仕方なく別パーティションに最新OS High Sierraを入れてLogic Xをインストールしました。

マルチテイク入出力も問題無し。
画像のようにテイクの中でどの部分を使うか、もクリックすることで直感的に選択できます。(画像ではテイク部分の最初「テイク1」次に「テイク3」最後は「テイク2」とか選べます。もちろんこの段階では録音スタート・終了ポイントしか区切りはないですが。。。)

ショートカットキーもかなりカスタマイズできるのでFinal Cut Pro 7に近い設定にしました。

問題点としては映像ウィンドウがフローティングなのが気持ち悪いというくらい。

あと後ほど気づいたのですが、新しいプロジェクトにすると保存したウィンドウレイアウトが全て消えてしまっている。というのは早急に改善して欲しいです。
でも、総合的にはこのLogic Xが最も使いやすかったです。

Pro Tools First

PT
音声ソフト、結構いいぞ。と気づき、だったらPro Toolsを覚えちゃおう!と思いたちました。
そういえば以前Avidの映像ソフトが無償で配布されてたっけ、、、と思ってPro Toolsも探してみたらありました!

Pro Tools Firstという名前で無償版があります。
こちらもOS 10.7には非対応なのでHigh Sierraのシステムにインストール。

が、起動させてみたら起動が結構遅い。
しかも無償版のPro Tools First映像ファイルの読み込みはできなかった!!
画像のように映像ファイルの音声だけ読み込まれて、映像のウィンドウはありません。。。
ちゃんと調べてからインストールすれば良かったです。終了!

最終的にLogic Xを選びました。

結局本番はLogic Xで。
元々の映像に乗っている音を差し替えるアフレコなので、毎回元の音声を聴いてもらってから録音を始めます。
当然録音中は元音声を流す訳にいかないので、
Macのヘッドフォンを外し元トラック音声をONにして再生Macのヘッドフォンを入れて元トラックを消して録音>Macのヘッドフォンを外しチェックの再生
というループは結構しんどかったです。
まあ、録音前に元映像の音声を確認する。というステップは普通はないのでしょうし、ナレーターなりもヘッドフォンしてるので通常はもっと楽なのでしょう。。。

一つ反省したのは、録音中のレベルメーターをLogicのものだけ注視していて入力機器であるH4のメーターをあまり観ていなかったこと。
結構低めに設定していたので大丈夫かと思いましたが、ヘッドフォンでは分からない微妙なレベルで音が割れてる部分がありました。。。

あとあまり関係ないけど、残響を消すプラグイン、買おうか迷った。。。
FxFactoryというプラグインセットの中のEchoRemover


まずはここのデモムービーを観て驚いて下さい。
このリバーブの逆の様な機能、簡易の録音時にはとても役立つのです。
14,040円でFinal Cut Pro X、Logic、Premiereなどなど、結構いろんなソフトで使えるらしい。
Logic Xに体験版をインストールして試してみましたが、確かにデモムービーのように一発で残響がなくなる!
インストールするにはFxFactoryをインストールした上起動させ、その画面の中からEchoRemoverをインストール。という手順になります。

※デモ版(登録前)は音声にビープが定期的に入ります。

が、今回はアフレコの録音状態が結構良かったので購入は見送りました。。。

以上になります。
3Dソフト程ではないですが、まだまだ音声ソフトもそれぞれ特徴があるのだなあ。とよい勉強になりました。
おおまかな印象では、

Appleのソフト=とても斬新でかゆいところに手が届くアイデアはいいが、ある程度開発したらそれ以上の使い勝手を探求しない。
Adobeのソフト=長い歴史があるが「不便な所を便利にしよう」というよりは「目新しい機能をつけよう」「ソフトの名前を変えてみよう」がメインになっていて、せっかくの歴史を無駄にしている気がします。
Pro Tools=ちゃんとやるなら有償版を買っておくれよ!というスタンス?

以下に簡単な表でまとめておきます。

 Final Cut
Pro 7
Sound
Track
Pro
Soundbooth
CS5
Audition
CC2014
Logic XPro
Tools
First
映像インポート×
外部IN
内蔵OUT
×
マルチテイク
トラック
分かれる

in/outまで
録音必須
××
実質マルチ
テイクなし

展開法
分からず
録音開始
ショートカット
××
録音中表示
の分かり易さ
動作の軽さ×
保存重い
OS10.7で動く××
日本語環境でOK×
自分が
慣れてるか
×××

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