iMovieで素材が真っ黒に表示される時の解決法

Mihail_hukuna / Pixabay

こんにちは。
皆さんはiMovieを使ってますか?
私は仕事柄Final Cut Proを使っていますが、たまにiMovieのほうが便利な時もあるんですよね。

もしもあなたの周りに
「俺は簡単な初心者ソフトなんて使わない!なぜなら俺は業務用ソフトを使えるんだし、業務用ソフトのほうがいい作品ができるからさ!」
と言ってる人がいたらその人は間違いなくド素人アホウなプロです。
優秀なプロは仕事の内容によってソフトを使い分けるのですよ。
今回はiMovie10.1.6の話です。

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スライドショーはiMovieが最強!

例えば写真のスライドショーを短時間のタイムアタックで創る。尚且つクライアントからの写真差し替え修正も多々ありそう。という現場ではiMovieは大活躍します。
写真を一枚一枚動かす場合、通常のソフトだと「始点終点にキーフレームを打って位置・大きさを指定する」もしくは「どのくらいのスピードで拡大・移動するとかを設定する」のが普通のやりかたです。

でも、こういう、写真の差し替えや使用する長さの変更が締め切りギリギリになって必要になる局面だとかなり厳しいんですよね。
写真によって拡大や位置の感じも違うので、いちいち設定し直さなくてはいけない。。
しかも、ディゾルブ(写真が消えていって切り替わるやつ)をかけてると、始点終点をもう一度見えるようにしてから設定し直さなくちゃいけない。。

その点iMovieだと、写真の始点終点のサイズと位置を視覚的に修正すればよくて、しかも尺を変えるのもディゾルブつけたままいじれるから相当作業が早まります。
AfterEffectsのExpressionで始点終点のサイズを設定して・・・はこれまた面倒だし、そもそもiMovieの場合はAfterEffectsと違って差し替えて即オーディオ付きプレビューができるので圧倒的に便利なのです。

というわけで、仕事でiMovieを使ったのですが、先日HDD内のデータを移動させたら事件が起きました。
素材位置を変えただけというわけではないので、俗に言う「リンク切れ」というのとはちょっと違います。

画面真っ暗事件

iMovieを仕事で使うときは、プロジェクトファイル(iMovieでいうところのライブラリですかね。「.imovielibrary」の拡張子のやつ)はそれぞれ使い分けるようにしています。
過去の仕事の映像が全部読み込まれても面倒なだけなのと、ファイルが壊れたら全部壊れてしまうので。

で、新しいHDDに都合上移行することになって、元素材も含め「.imovielibrary」とともに全てフォルダごと移動させたのです。

その後移動させた後の「.imovielibrary」(今回は写真のスライドショー)を開くと、プロジェクトウィンドウやタイムラインのうち、いくつか写真が表示されなくなっていたのです。

iMovieはリンク切れを起こすと、本来の素材位置に「?」マークが出るのですが、それも出ず、真っ黒なサムネールが表示されているだけ。
タイムラインの方を見ると、写真に加えた位置・拡大・色調整の設定はそのまま残っているようなのですが、こちらも真っ黒の画像

慌てて移動前のHDDをつないで問題なかったはずのプロジェクトを開いても同じ!
これにはお手上げ!

調整の設定は残っているようなのですが、とにかく真っ黒。

元画像ファイルが普通に読み込めなくなった!

特に写真の色調整とかからまた始めるのは絶対嫌だったのでしばらくあれこれやってみたのですが、どうやらiMovieには再リンクの項目がない。(というより、後で気づいたのですが、「?」マークが出ていない以上そもそも「リンク切れ」という扱いではない。)

ううむ。

よし、色調整や拡大縮小の設定は、オブジェクトをコピーして、「調整をペースト」で行けそうだったので、とりあえず元画像を新しく読み込んで、しかるべき位置の真っ黒オブジェクトから調整結果をコピペしようと。

が、なんと元画像ファイルがiMovieに読み込めない!

なんかアラートが出て「読み込めないファイルです。」と。
(ちなみにまったく関係ない他の画像ファイルや映像ファイルは普通に読み込めました。)

元画像の名前を変更しても読み込めない。
元画像をFinderで複製しても読み込めない。
Finderからのドラッグ&ドロップでもダメ。メニューからの「読み込み」で選択してもダメ。
という不思議な犬のおまわりさん現象。

iMovieは読み込まれた画像を別の場所に複製保存して作業するはずなので、全くいじられていないはずの元画像が読み込めなくなってしまったのはまさにミステリー

「継続時間」情報が怪しい!

ここで気づいたのは、iMovieの読み込みファイルを選択する画面の「継続時間」の部分で、他の元写真は「10秒」になっているのに、問題の真っ黒ファイルの画像だけ「0秒」となっている。ということでした。

iMovieの読み込み画面で、問題の元画像だけ「0秒」となっていました。。。

そこでiMovie上やQuickTime Player上で「継続時間」を変えようとしましたが、それも無理。(そもそも画像の元ファイルに「継続時間」などない。。)

このあたりで、どうやらiMovieの中で「何らかの設定」があって、「その画像は『継続時間0秒』のものと決めたからどんなことをしても読み込めないよ!」と言っているのだろうとあたりをつけました。

で、プロジェクトファイルである「.imovielibrary」を右クリックして「パッケージの内容を表示」させ、パッケージされたほうの「画像情報」を探ります。
(iMovieでは、元画像はプロジェクトファイルにパッケージされた「Original Media」にコピーされています。)

するとどうでしょう!
問題のない画像の拡張子は「.jpg」だったのですが、問題のある画像ファイルは「.jpg.mov」というダブル拡張子になっていました。

「.jpg.mov」がついているものが問題のあるファイルです。

なぜ一部の画像だけにおかしな拡張子がついたのか全くわかりませんが、とりあえず、こいつらを試しにゴミ箱に入れて、どうなるか見てみよう。と。
(ここで、「拡張子を書き直す」「元画像ファイルを無理やりこのフォルダにブチ込む」というチャレンジはあまりにも危険な匂いがしたのでやめておきました。。)
で、iMovieを起動すると、おお!
リンク切れの「?」マークが表示されるようになりました!
おかえり!「?」マーク!(画像はまだ表示されてませんが。。)
ここまでくれば後は普通の再リンクでリンク貼り直せばOKです。
以下に解決法をまとめておきました。

解決法まとめ

1.まず、iMovieで、黒くなったサムネールの元画像のファイル名をきちんとメモります。
黒くなったサムネールでも設定情報やファイル名は表示されます。

真っ暗で何もないように見えて、ちゃんとファイル名とかは表示されています。

2.iMovieを終了

3.Finderでプロジェクトファイル(.imovielibrary)を右クリック>「パッケージの内容を表示」し、「Original Media」の中から「1」でメモったファイルを探します。
たぶん「.jpg.mov」となっているので、そいつらをゴミ箱へ。
*iMovieイベント分けてたら、各イベントフォルダの中に「Original Media」フォルダがあります。
*怖かったらゴミ箱へ入れなくてもどっかに移動させても大丈夫。

4.iMovieを起動すると、今まで真っ黒だけだったサムネールに「?」マークが表示されるようになる。(普通の「リンク切れ」状態になる)

5.iMovieの素材ウィンドウの各「?」サムネールに、該当する元画像をFinderからドラッグ&ドロップ(リンクを貼り直す)。

6.10分ほどそのまま待ちます。

7.iMovieを終了させて、再び起動させて元通りに問題なく映像が表示されていればOK

「6」10分ほど待つというのは、どうやらiMovieが画像読み込みだけでなく何かしら裏で設定情報を書き換えているフシがあって、普通に終了させると途中までしかリンクが戻っていなかったからです。(画像読み込み中はそもそも「バックグラウンド処理が終わってから終了させてくれ」とアラートがでますが、この場合は本当にこっそりと何か書き換えてるみたい。。。)

以上です。。。。

一般の人に下手にいじらせて不具合が出ないように、という親切な仕様なのでしょうが、一旦何か起きるとなかなか厳しいシステムです。
まあ、プロならそのくらい自力で解決しろ!ということでしょう!

それでは楽しいiMovieライフを!

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